押収物を持ち出そうとしている所を、スカーレットに見つかってしまった主人公。
仕方なく彼女に事情を説明することにした。
かたむきリンゴの種があれば、特効薬を作ってスカーレットの母親を助けることが出来るかもしれない。
しかし、事情を知っても尚、彼女の考えは変わらない。
そんなスカーレットに主人公は問う、それが本当に貴方の信じる正義なのか、と。
それでも折れないスカーレット。
これ以上は本当に争う事になる。
そう感じた主人公は、諦めて種を返すことにした。
が、機転を利かせたリュカが、二人が言い合う前に種を持ち去っていた。
そして、二人が気付いたときには、既に調合が開始されていた。
規律を犯して作ろうとしてる特効薬。
完成したとしても、使って良いのかと悩む彼女。
迷う気持ちは主人公も同じだった。
それでも、スカーレットの為になにかしたい、そう考えると体が動いていた。
たとえ母親にどう思われても助けたい、それがスカーレットの答え。
翌朝、ついに特効薬が完成した。
母親を救うと決めたものの、まだ心には迷いがあるスカーレット。
そんな彼女に、署長とシモーヌ先生が母親の気持ちを諭す。
母親の病気が彼女に知らされなかったのは、万が一にでも彼女にうつしたくないという気遣い。
自分の余命よりも、残される娘の事を考えていた。
真面目で、まっすぐなスカーレット。
とても深い愛情を持って育てられていた事に気付いた彼女。
今やるべきことは、一刻も早く特効薬を届ける事。
再びスカーレットがリグバースを離れて数日経った頃。
無事に特効薬を届けることが出来、彼女の母親を助ける事が出来た。
そして、報告がもう一つ。
フォルミド病の特効薬の製造が、正式に認められることとなった。
薬の名前はスザンヌ。
命を懸けてリグバースを救った、シモーヌ先生の母親。
彼女の汚名も晴らされることとなった。
血のつながりなど無くても、深く愛することが出来る。
それは、二人も同じだった。
そして…
厳しくも優しいスカーレット。
彼女もきっと素敵な母親になるはずだ。
彼女を育ててくれた、二人の母親のように。
END
Ⓒ2021 Marvelous Inc.
・余談
スカーレットは他のヒロインと違って、結婚に向けてのわかりやすい伏線は無かった。(フーカの黒い霧、ベアトリスの使命、など)
その為、何が起こるんだろうとワクワクしながら進めていたが、期待以上の素晴らしい物語だった。
彼女の結婚ストーリーは「家族」そして「母親を救う」がテーマである。
そして、これはスカーレットだけのストーリーではない。
シモーヌ先生、彼女にとっても、汚名を着せられたまま亡くなった「母親を救う」話でもあるのだ。
二人の娘が母親を救う、ふたつの母娘の物語。
改めて、このゲームのライターの素晴らしさを実感するストーリーだった。
特に、この言葉はとても心に響いた。
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